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カレの熱

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柚葉は恋多き女で常に恋をしていないと気が済まないタイプ。その割に長続きはしない。彼氏と別れ、すぐさま次の恋をしようとした矢先出会ったのは親友の弟の菫斗。

5歳も年下の菫斗に惹かれた柚葉は菫斗を次の彼氏候補にターゲットロックオン。

それから自分の積極性を武器にしてあの手この手で菫斗くんを誘惑するが、菫斗には同い年の彼女がいた。それでも諦められない柚葉。そんな柚葉に惹かれる菫斗。

この話はそんな2人の物語

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乾いた心
足りない、足りない ―――満たされない 私はいつも目に見えない何かを求め、だけどその求めたものを手に入れられたことは1度もない。 ◇ 「別れよう」 その別れの言葉を切り出したのは私からだった 目の前にいる相手は私のひとつ年上で半年付き合った彼氏 ……いや、今から元彼になる男 「え……?は?俺、なんかした?」 まさか私が別れの言葉を切り出すとは思っていなかったのだろう ポカンと間抜けな顔をした後に焦った表情で私に"なんで"の疑問を訴えてくる男に私が思うことは一つ ――みっともないなぁ 一応今も彼氏ではあるけど気持ちが無くなれば他人も同然。 冷たいと思われようがそれが私なんだから仕方がない 「特に何もしてないよ」 「じゃあなんで、」 なんで、か 何でだろう 強いて言うなら…… 「飽きたから」 ………そう、飽きたからだ もう付き合った最初の頃みたいにドキドキもしないしキュンキュンもしない デートもセックスも飽きたのよ 「意味わかんねえ…」 「愁は馬鹿じゃないでしょう」 つまんない男だったけど決して馬鹿ではないはずよ だから好きになったの だから……、私が本気で言ってるのくらいわかってるでしょう ……最後まで私に嫌われたくないなら大人しくさっさと別れてこの場から立ち去って欲しい 私のその思いが通じたのか「……何を言っても無駄そうだな」そう言って私に背を向けた愁 ―――ばいばい、愁 半年間の恋、さようなら ――――――――― ―――――― 「はぁ……」 「ちょっと、溜め息移るからやめてよ」 「いい男いないかな〜」 「さっそく次の男?」 「だってさ〜」 彼氏いないと干枯らびるじゃん 愁を振った後、私は親友の寧々を呼び出し行きつけの居酒屋で飲んでいた 1杯目はお決まりのビールを体内に流し込んでそれからレモンサワーやハイボール、カクテルなど色んな酒を飲んでいく 「柚葉って本当、男いないとダメな女だよね」 「だってー、つまんないじゃん」 峰岸 柚葉 それが私の名前 私は所謂、恋愛体質なのか常に恋をしていないとダメな女 別に男がいないと死ぬわけじゃないけどつまらなくて干からびちゃう 「そーゆー寧々だってまた合コン行ったくせに」 「あー、あれはハズレだったわ」 「ブサメン?」 「んー、自意識過剰すぎた」 あーね それはいくら顔が良くても嫌だわ 付き合うと面倒臭いタイプというか… 「いい男いないかな〜」 「つーかうちら、そろそろ一人の男に身を固めたい歳だよね…」 「寧々さん言ってることがババくさいです」 「あんた殺すよ?」 キャーー、目が怖ーい なんなら睨まれた瞬間、微かに殺気も感じ取れたんだけど? 私と寧々は高校の頃からの付き合いだ 高校を卒業して短大を卒業して社会人になった今もこうしてたまに会うくらいには仲がいい 「身を固めるねえ…」 「23だしそろそろ結婚相手探して専業主婦になりたいわ」 「えー、専業主婦とかつまんなさそう」 てか飽きそう 1日仕事もしないで家で一人か子供が生まれれば子供と二人きりでしょう? 別に世の専業主婦さんを非難する訳でもないし、専業主婦が楽そうって言ってるんじゃない ただ私には合わなそう 常に楽しいこと、刺激がある人生を生きていきたいと思うもの だって人生1回きりじゃん 犯罪とかは別として、なるべく楽しく、自分の好きなことをして生きていきたい 幸いにも仕事を苦だと思わないからお金を稼ぐのも楽しいし 結婚もなあ…… 保育園の頃とか小さい頃は結婚に夢見てた可愛い時期もあったけどさ 今は別にしたいと思わない だってずっと同じ相手と一生を添い遂げるとか私に出来るのかなって感じだもん 飽きて離婚してバツが何個もついてそうな未来しか想像出来ないんだけど… その点、寧々はいいよなあ 付き合うと基本長いし、一見冷たくサバサバした感じがするけど一途だし…… 「あー、考えるのはもういいや!!明日は休みだし飲も〜!!」 「は?明日土曜日なのに休みなの?」 「なんかシフト変わってくれって言われて久々の2連休!!しかも土曜休み!」 私の仕事は接客業 だから基本平日休みの土日や祝日は仕事 ちなみに寧々も職場や職種は違うけど接客業なのは一緒 だから高校卒業した後もこうして会いやすいのかも 宣言通り、私と寧々はひたすら酒を飲んだ 寧々は明日も仕事だからと言って飲む量をセーブしていたけどいつもよりは飲んでいた …………その結果 「うぇぇ………」 潰れた ええ、潰れましたとも 「……あんた帰れる?」 「死ぬ気で帰る…」 わーー、頭も身体もふわふわする 思考がままならない 「そーいや弟が近くでバイトしてるから呼び出して送らせるか…」 「おとーと?」 「そう」 そーいや寧々って弟が一人いるって言ってたな… 会ったことないけどさ 歳が少し離れてるから仲良いも悪いもないわーなんて言ってたような…… 酔った思考の中でそんなことを思い出す 帰るの面倒臭いな〜 まだ飲みたいな〜 でもきっと、これ以上飲んだら流石に帰れなくなるな〜 そんなことを思いながらグラスに残っていた芋焼酎を飲み干した ―――「姉ちゃん、この人?」 「そう。一応私の親友」 ……誰? 酒を飲み干して机に顔を突っ伏していたら突然、頭上から聞いたことの無い男の声がした その声の主は寧々と会話してるから例の弟くんかな?と思って重い頭をあげる ―――うわぁ……!!! 何、このくっそ美形なイケメンは… 私が今まで見てきた男の中でも群を抜いて格好いい ……いや、格好いいというより綺麗? 傷むことをしらない艶やかでさらさらな黒髪、並行二重の瞳、すっと筋の通った鼻 無表情のその表情が更に美しさを際立たせているというか…… 「ゆーずー?生きてるー?」 そんな男の隣に立って私の顔の前でひらひらと手を振る寧々 ………… 「寧々さん」 「なにそのさん付け。キモイんだけど」 「この顔面くっそ綺麗な男の子誰?」 キモイとか酔ってるとか今はそんなことどうでもいい それより重要なのは目の前にいるこの綺麗な顔をした男の子だよ 今だって、ほら 周りを見渡せば居酒屋にいる女性客のほとんどがこの綺麗な男の子を見て頬を赤く染めている ……その頬の赤さは酒だけのせいではないだろう 「これ、弟」 綺麗な男の子を"これ"と言って指差す寧々 弟? …弟 ……弟…… 「これが?!」 初対面なのにこれって呼んじゃったよ でもそのくらい衝撃なの、わかって… なんて心の中で言い訳をしながら聞き直せば「うん」と言って頷いた寧々 ……嘘でしょう こんな綺麗な男の子が寧々の弟…… でもじーっと見比べれば並行二重の瞳は似てるかも… あと艶やかな黒髪も 今は寧々は髪を染めて暗めの茶髪だけど高校の頃は地毛の黒髪だったし、寧々も切れ長の二重でかわいい系よりは綺麗系だしね 「ほら、菫斗。柚葉のこと送ってやってね」 そう言って鞄を手に取る寧々 「…寧々は帰らないの?」 「うちはタクシーで帰るけどあんたはほっとくと何やらかすかわからないから」 うっ…… 別に毎回やらかすわけじゃないんだけどな…… ただたまーに酔って一夜限りの関係を持ったり、電車乗り過ごすことくらい? でもこの綺麗な男の子に送って貰えるのは素直に嬉しい だから「…迷惑かけちゃってごめんね」と謝って立ち上がる 「…鞄、持ちますよ」 「え?…でも…」 「いいから」 半ば強引に鞄を持ってもらい店を出た タクシーに乗った寧々を見送り、菫斗くんと肩を並べて歩く 「家、近いんですか?」 「歩いて10分くらいかなぁ」 あー、ふわふわする 夜風が少し肌寒くて、でもお酒で火照った身体には丁度いい コツコツと響くヒールの音 「菫斗くんだっけ?何歳なの〜?」 「…高3です」 「わっか!!」 この容姿、この落ち着いた雰囲気で高3か… 5つ下か〜 「いいな〜」 「…そうですか?」 「遊びたい放題じゃーん」 学生なんて遊んでなんぼだよ 人生で1番何も気にせずはっちゃけて遊んでられる いいなー、いいなー、 「戻りたいな〜」 なーんてね 高校の頃は普通に楽しかった でも大学生の頃の方がもっと自由で楽しかった 社会人になった今は……、普通かなあ 「彼女は〜?」 「…勢いで付き合わされた女なら」 「何それ?!」 「告白されて好きじゃないって言ったら好きにさせるから付き合おうって…」 所謂肉食系女子ってやつね 「菫斗くんパクって食べちゃいたくなるような雰囲気あるもんね」 「…なんですか、それ」 こんな美形な男の子と付き合えるなんて羨ましい あわよくばパクッと食べちゃいたい だって…、見るからに美味しそうじゃない? 「すーみーとくんっ」 「うわっ」 酔った勢いで菫斗くんの腕に自分の腕を巻き付ける 5月でまだ少し肌寒さの残った季節 薄い長袖を着ていたからわからなかったけど意外としっかりしている腕 ……それに、いい匂いがする スンスン、と匂いを嗅ぐ 「…あの、」 戸惑った顔と声色 あ、 「顔あかーい」 何この子、かーわいいっ なんか、こーゆー反応する男の子とか新鮮かも 「あんまり女の子に慣れてないの?」 「………」 「モテるのに〜」 無言は肯定として捉えます 話しながら歩いているとあっという間に自分の家のマンションに着いた ……もう少し話していたかったなあ…… 「あっ」 「…どうしました?」 「家寄ってかない?」 そうだよ、そうだよ 家にあげちゃえばいいんだ そうすればもっと話せるし… 「帰ります」 「えー?」 なーんだ 家寄ってくれたらあわよくば…なんて思ってたのに 寧々の弟とはいえこの顔面なら年下でも全然イけるわ

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